滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
「って、いちいちメール送らないでよね」
「だってつい気になっちゃってさぁ」
昼休憩。
私は会社近くの人気イタリアレストランで日替わりランチを頼んだ。
まもなくテーブルに運ばれてきたのは、香ばしい香りがするドリアとミニサラダ。
それにワンドリンクがついてワンコインなもんだから、
昼時はあっという間に店内は満席になってしまうのだ。
一足先にドリアに手をつけた私を見ながら笑うのは、
同期の鈴村あずさ。
入社式で意気投合して以来、腐れ縁にぬってしまった仲だ。
「藤堂さん、相変わらずのイケメンだよねー。今日話してたあの子嬉しそうな顔してたもん」
「そうですか」
「あれ?反応薄いなぁ」
「別に私にはもう関係ないし?」