滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
そして私をジッと見つめる目に、
私は思わず息を飲んだ。
またゴシップネタか?
はたまた、大型の人事異動!?
「めっちゃイケメンらしいの!!」
「…で?」
「終わり…だけど?」
自分が想像していた内容とは似てもにつかない情報に、
期待ハズレした私はガックリと肩を落とし大きくため息をついた。
「やっぱ奢りナシ」
今さらどんなイケメン上司が来ようが、
今の私には何もときめかない。
そんな気分でもないし、
また一から恋愛しようと思うだけで億劫すぎる。
あずさは根っからのイケメン男子好きで、暇さえあれば友達数人と合コンしているぐらいだから、
彼女からしたらビックニュースかもしれないけど。