滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
部長の本音
今日の朝は北海道では氷点下まで気温が下回ったとニュースが報道するほど寒く、
関東も今季最低気温を記録した。
「ううっ、寒い…」
朝の冷え込みだけはいつ訪れても嫌いだ。
肌も荒れるし、空気も乾燥するせいか何処か化粧のノリも悪い。
「…夏目!」
冷たい北風が吹く朝のオフィス街。
たくさんのサラリーマンやOL達が行き交う中、
私も肩を縮めながら会社への道のりを歩いていると、後ろから呼び止められた。
その場に立ち止まり振り返ると、
小走りでやってきたのは俊介だった。
「おはよ、今日も寒いな」
俊介の服装も冬支度で、
マフラーを巻き手袋もしていた。
「私、冷え性だから冬はホントに辛い」
「大変だな」