滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬

「痛い…っ」


歯を食いしばりながら痛みを堪える私を


彼は嬉しそうに目を細めて笑っている。






「いい顔してる。あの時より魅力的に見えるよ」

「ひゃっ…!」




クスクス笑いながら耳を甘噛みしてきた彼。

単純過ぎる私の体が思わずビクンッ!と震えてしまう。





その様子に拍車をかけたのか

今度は唇を荒々しく塞ぎ舌を絡めてきた。




「んっ、ぁ、い、んんぁや…!」



私は顔を左右に振って彼の唇から逃げても、
彼は半ば強引に口づけを迫ってくる。



その瞬間、彼の下唇を間違えてガリッ!と噛んでしまったのだ。




「…」


少し驚いた様子で私を見つめる彼。


その唇からはじんわりと血が滲んでいる。



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