千紫万紅~君と見たい景色~
悠晴は、顔はまあまあイケメンの部類で、性格も至って普通。

今まで何度か告白されたことはあったが、自分から誰かを好きになったことはなかった。



和咲が好きだと自覚したのも風馬に言われたからだ。


態度が物凄く分かりやすかったらしく、それは好きってこと。なんてため息混じりに呆れられた程の鈍感ぶり。



それに片思いといっても悠晴の場合、自分から話しかけたのは挨拶か必要事項ぐらい。



アプローチなんてもってのほかで、悠晴が和咲に関して知っているのはクラスで見聞きした程度。



そんな感じで接していたものだから、風馬と陽にはヘタレと言われてしまう始末。



(まったく俺はヘタレじゃねぇ!…と思う。つーかそれが出来たら1年も片思いしてねぇよ!……ってやっぱりヘタレか…?!)


などと、強気なのか弱気なのか分からない言い訳を、心の中で一人押し問答をする悠晴だった。
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