千紫万紅~君と見たい景色~
帰ろうとして職員室での一部始終を聞いてしまった悠晴は、正門からは死角になる廊下で和咲達のやり取りを見ていた。



「……………。」



「木山、盗み聞きか?」



「!!!ビックリしたー。雨島、脅かすなよ。」



「先生を付けろ、先生を。それと学校内でストーカーするんじゃねぇよ。」



「し、してねーから!」



察しの良い雨島は、悠晴の目線の先にいる人物に気付いていた。



「何、萩野の事気になる訳?」


「……。別に。」



「(何だその間は。)萩野は利口過ぎるんだよな。もっと年相応になってもいいんだがなぁ、森崎みたいに。あーでも、あいつはお子様過ぎるか。」



「…俺に言うなよ。」



「あ~まぁそうだな、すまんすまん。俺の独り言だ、気にするな。」



「(独り言かよ!)」
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