千紫万紅~君と見たい景色~
和咲の暮らしている施設 なでしこ園 はその名を表す様に、入り口には色とりどりの花が花壇に植えられている。



「あ、藍姉、和咲姉お帰り~」

「二人ともお帰り。」


「ただいま七穂、四朗。」



「卵はあったかい?」


「ええ、ほらたくさん。三夜と二葉は台所?」


「ああ、じゃあ早速作ろうか。」


「私も手伝うわ。」



読んでいた本をしまった七穂と藍から卵を受け取った四朗は、帰ってきた藍と一緒に三夜と二葉のいる台所へと向かう。



「和咲姉、こいつ誰?」



和咲達のすぐ後に帰ってきた一護は悠晴にいち早く気付いた。


「和咲姉の彼氏だ~」
「彼氏だ~」


「こら、一護失礼でしょ。ただいまくらい言いなさい。八雲も九雲も走り回らない!」



「十環ちゃんが怒った~」
「怒った~」



一護のせいで八雲と九雲も悠晴の存在に気付き、おませな2人は彼氏彼氏と大はしゃぎ。十環来の注意すら楽しんでいる。


因みに、大部屋の床はフローリングで埃は立たないから、八雲と九雲が走り回っても大丈夫なのである。
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