千紫万紅~君と見たい景色~
大部屋に入った途端、悠晴は固まってしまっていた。



「ごめん、煩くて。」


「いや、別にいいんだけど。…なんかイメージがさ。」


「イメージ?」


「施設ってもっと静かな感じだと思ってたから。」


「施設にもよると思うけど、私はここしか知らないから。ここは常にこんな感じ。」



大部屋は大きな窓もあり、明るく開放的な造りをしている。



「とりあえず皆のこと説明しとく。」



ご飯が出来る間の今のうち、と和咲。



「藍姉から卵を受け取ったのが四朗(シロウ)兄。ここの施設出身で、施設の子供の面倒をみる児童指導員。藍姉の旦那さん。


藍姉達の会話に出てきた三夜(サヨ)姉もここの施設出身で保育士。


二葉(フタバ)は三夜姉の親戚の子で小学2年の女の子。


そこで本を読んでいた女の子は七穂(ナホ)。中学1年生。」
< 35 / 101 >

この作品をシェア

pagetop