千紫万紅~君と見たい景色~
「じゃあ、聞いてみれば?お祭りは毎年あるんだし。萩野さんの園は小さい子もいたはずだからお祭りには興味あると思うよ。」



「相変わらずの情報通だな。…でも、とりあえずそうしてみるわ。」



風馬の言葉に、誘う前にあくまで然り気無く聞いてみようと思う。


因みに、風馬の情報源は勿論噂好きの女子達からである。




そして、帰り道を半分ほど来たところで悠晴は実行する。



「な、なあ萩野…」


「なに?」



(然り気無く、然り気無く……)



「栗花落神社のお祭り、萩野はどうしてる?」


…………全く然り気無くなかった。



心の中で唱えていた、然り気無く、というのは和咲を前にした悠晴には無意味だったようだ。
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