千紫万紅~君と見たい景色~
「叶えられるかは別問題だけど、我が儘だって言って欲しい。出来ることなら全力でするわ。今みたいにね。」



この前の泣きそうな顔とは違い、ここに来た時みたいな自分の全てを受け入れてくれる様な優しい笑顔で藍は和咲に言う。



「心配かけないようにしていたのに、逆に心配かけてたみたいだね。」



自分の行動が真逆の結果になっていたことに今更ながら気付く。





「私………お祭り行きたい。浴衣も着てみたい。」



『家族』の顔を見ながら和咲は微笑む。





「ありがとう。」



背伸びした気持ちが初めて
『等身大』になれた気がした。
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