千紫万紅~君と見たい景色~
「まったく陽のやつ、放課後まで俺をこき使いやがって。家庭教師じゃねぇつーの。」



入学してから知り合った陽に悠晴は、今日の授業さっぱり分かんなかったから教えて。と頼み込まれ教えていた。


だが陽の理解力が悪く、休み時間だけでは足らず放課後までかかってしまった。



(あれでよく入試受かったもんだな…謎すぎる、学校の七不思議に加えてもいいレベルじゃないか)と悠晴は思う。




タタタッッ――ドサッ――……


「うわぁぁぁぁぁんっ!!」


「!なんだ?」



歩いていたすぐ横の公園で、小学校1年生くらいの男の子が勢い余って転けたらしく泣いている。


その泣き声に気付いて向こうから近づいてきたのは、悠晴と同じ学校の制服を着た同い年くらいの女の子。
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