千紫万紅~君と見たい景色~
「あー転んじゃったね。立てるかな?お姉ちゃん、お薬持ってるからお薬塗ろうか。」
男の子を近くのベンチに座らせると、鞄から救急セットを出して、手際よく手当てをしていく。
「はい、よく頑張ったね。もう大丈夫だから泣き止みな。」
手当てが終わっても泣き顔の男の子に、頭を撫でながら優しく話しかける。
「…うん。ありがとお姉ちゃん。」
「よしよし良い子。じゃあ遊んでおいで。」
「うん!バイバイお姉ちゃん!」
男の子は手を振りながら、元気よく駆けていく。
その光景を見た。
たったそれだけ、それだけだった。
次の日、同学年でしかも陽と同じクラスと知った悠晴は、それを口実にクラスに入り浸って気付けば陽の話そっちのけで目で追っていた。
学校では見たことがない、公園で男の子に見せた和咲の笑顔が焼き付いて離れなかった。
男の子を近くのベンチに座らせると、鞄から救急セットを出して、手際よく手当てをしていく。
「はい、よく頑張ったね。もう大丈夫だから泣き止みな。」
手当てが終わっても泣き顔の男の子に、頭を撫でながら優しく話しかける。
「…うん。ありがとお姉ちゃん。」
「よしよし良い子。じゃあ遊んでおいで。」
「うん!バイバイお姉ちゃん!」
男の子は手を振りながら、元気よく駆けていく。
その光景を見た。
たったそれだけ、それだけだった。
次の日、同学年でしかも陽と同じクラスと知った悠晴は、それを口実にクラスに入り浸って気付けば陽の話そっちのけで目で追っていた。
学校では見たことがない、公園で男の子に見せた和咲の笑顔が焼き付いて離れなかった。