千紫万紅~君と見たい景色~
「あーうん。あの時はこうなるなんて思ってなかったけど。」

「私も。」



今までの出来事を思い出して2人は笑う。



話しかけることさえ難しかった悠晴。

他人と距離を置いていた和咲。


交わりそうで交わらなかった2人を結びつけたのは、お節介と温かさを兼ね備えた周りの人達だ。



「高校に行けるって分かった時とっても嬉しかった。だから、それだけで良いと思ってた。」



空を見上げ独り言の様に和咲は話始める。

声のトーンから口を挟まない方がいいかと思い、悠晴は黙って聞くことにした。
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