花と緋色
「それに。」
クラウジアはシエリアを睨む。
「最近は物騒だ。あまり出回るな。」
「むぅー……」
シエリアは膨れっ面をした。
「街の方が安全だろう。」
「じゃあ、一緒に行こうよ!」
「断る。」
クラウジアはそっぽを向いた。
「此の屋敷が私の場所だ。」
「旦那さんも、街に行くでしょ?」
「そうだな。ならば、私が留守をせねば。」
「……頑固者ー。」
シエリアはそう言うと、空を見た。
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