もしも…
結愛を覚えていないのに…

目の前にいる結愛が

可愛くて

温かくって

ほんわりしていて…

守ってあげたくて…

その手に触れたくて…

好きだと思った…

急速に引かれていく…

俺に気がついた結愛が

柔らかく微笑んでこっちに手を振った

そして

近づいてきて
『もういいの?』
それから、俺の手元を見て

『あっごめんすっかりジュースのこと忘れて…あんなとこにおいちゃってごめんね…ちょうど人が入っちゃったから…』
って寂しそうに笑って

俺は胸が騒いだ…

何も言わない…
何も聞いてこない…

結愛はきっと辛いだろうと…

何も思い出せない俺がイラついた…

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