赤い流れ星
「美幸ーーー!
なにしてるんだ?
早く来なさい!」
「は…はい!」
まだ顔は全然元に戻ってなくて…だから、もう少しいたかったんだけど、兄さんが呼ぶから仕方なく私は戻った。
「おまえも食事中だったんだな。
弁当を買って来たから、食べよう。」
「はい。」
私は恥ずかしくて俯いたまま席に座った。
「わぁ…!」
目の前に置かれたのは、考えてたものとは全然違うとても豪華なお弁当。
仕出し屋さんかどこかで買ったであろうちゃんとしたお弁当に、私は思わず心が踊った。
シュウは、そんな私に気が付いたらしく、小さく肩を震わせて笑いを堪えていた。
なによ、笑うことないでしょ!
……と、心の中で怒りながらも、いつもの場所にシュウがいてくれるのを見ると、どうにも嬉しくて、私の頬は自然に緩んでしまう。
「……おまえも少しは成長したかと思ってたけど、たった三日であんなに泣くとはなぁ…」
お弁当をつつきながら、早速、兄さんの毒舌が始まった。
そう言われてもどう返せば良いのかと考えていると、シュウが横から口を挟んだ。
「俺達、ラブラブですから。」
「……よく言うよ。」
シュウの言葉に、兄さんは呆れたように笑った。
でも、そんなことが言えるって……
たった三日で、なんだか二人はやけに親しくなってないか!?
「美幸……あの男性のこと、気にならないのか?」
「そりゃあ、気になるよ。
どうだったの?」
兄さんは、あの男性のことを話してくれた。
妹さんに会ったことや、その夫婦が泊まった旅館を訪ねたことなど、いろいろ聞いてるうちに、私の目にはまた涙が浮かんでた。
なんて気の毒な人なんだろう……
せっかく最愛の奥さんが生き返ったっていうのに、それはガンに冒され命の灯火が消えかかった状態の奥さんだったなんて……
その人が望んだのは、きっと元気な奥さんが生き返るってことだっただろうに……
最愛の人の死なんて考えるだけでも怖いけど、そんな体験を二度もするなんてあまりにも残酷だ。
耐えられる筈がない……
なにしてるんだ?
早く来なさい!」
「は…はい!」
まだ顔は全然元に戻ってなくて…だから、もう少しいたかったんだけど、兄さんが呼ぶから仕方なく私は戻った。
「おまえも食事中だったんだな。
弁当を買って来たから、食べよう。」
「はい。」
私は恥ずかしくて俯いたまま席に座った。
「わぁ…!」
目の前に置かれたのは、考えてたものとは全然違うとても豪華なお弁当。
仕出し屋さんかどこかで買ったであろうちゃんとしたお弁当に、私は思わず心が踊った。
シュウは、そんな私に気が付いたらしく、小さく肩を震わせて笑いを堪えていた。
なによ、笑うことないでしょ!
……と、心の中で怒りながらも、いつもの場所にシュウがいてくれるのを見ると、どうにも嬉しくて、私の頬は自然に緩んでしまう。
「……おまえも少しは成長したかと思ってたけど、たった三日であんなに泣くとはなぁ…」
お弁当をつつきながら、早速、兄さんの毒舌が始まった。
そう言われてもどう返せば良いのかと考えていると、シュウが横から口を挟んだ。
「俺達、ラブラブですから。」
「……よく言うよ。」
シュウの言葉に、兄さんは呆れたように笑った。
でも、そんなことが言えるって……
たった三日で、なんだか二人はやけに親しくなってないか!?
「美幸……あの男性のこと、気にならないのか?」
「そりゃあ、気になるよ。
どうだったの?」
兄さんは、あの男性のことを話してくれた。
妹さんに会ったことや、その夫婦が泊まった旅館を訪ねたことなど、いろいろ聞いてるうちに、私の目にはまた涙が浮かんでた。
なんて気の毒な人なんだろう……
せっかく最愛の奥さんが生き返ったっていうのに、それはガンに冒され命の灯火が消えかかった状態の奥さんだったなんて……
その人が望んだのは、きっと元気な奥さんが生き返るってことだっただろうに……
最愛の人の死なんて考えるだけでも怖いけど、そんな体験を二度もするなんてあまりにも残酷だ。
耐えられる筈がない……