赤い流れ星
「信じられないって顔だな……
俺だってそうさ。
今の話は推測だから、本当の理由は全く違うかもしれない。
でも、信じたくなくても、信じられなくても、こうなってしまった以上……俺はこの状況を受け入れるよ。
……受け入れるしかないんだから。」

そう言って俯いたシュウの表情はとても寂しげで、さっきまでの偉そうな彼とは違ってどこか頼りなく見えた。



(あ……)



そうだ…
考えてみれば、私なんかよりシュウの方がずっと大変なんだ。
私は、最初からこの世界にいたけど、シュウは違う。
突然、実体を持たされてこんな所に連れて来られて…
あ……そうだった……連れて来てしまったのは、私なんだ…!
私があんな願いをかけたから、シュウは……



そう考えると、私はシュウに申し訳なくてたまらない気持ちになった。
私のせいなんだ……
私のせいでシュウは……



なんとかしなきゃ!
なんとかして、シュウを元の世界に戻してあげなきゃ…!
私は再びなんとか流星群のページに目を移した。
今度はさっきよりうんと真面目に読み進める。



「嘘……」

書いてある事を読んで、私は絶望を感じた。
私が考えたこと……それは、そんなにすごいパワーを持ってるのなら、今度その流星群が来た時にまた願いをかければ良いんだってこと。
だけど、今度星の雨が降るだろうと予測されてるのは、なんと1500年後…
なんでも、この流星群は約1500年ごとに起きているらしい…
1500年…それこそ、ありえない…150年だって生きられないのに、1500年なんて…

私は全身から力が抜けていくのを感じた。



どうしよう……
私…大変なことをしてしまった……



「大丈夫か、ひかり…?」

一番大丈夫じゃないのはシュウで、そしてその原因を作ったのは私だっていうのに、そんな優しい声を出さないで!
私は罪悪感と不安の混じった複雑な気持ちに押しつぶされそうになってきて……
とうとう我慢しきれずに、ぽろぽろと子供みたいに涙を流してしまった。

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