赤い流れ星
「あ…あの…
こんな時になんですが……めしでも食べませんか?」
「え……?」
「ひかり…腹減っただろ?
お母さんも、お腹がすいてらっしゃるんじゃないですか?」
「あなたに、お母さんなんて言われる筋合はありません!」
「す…すみません。」
シュウは、謝りながらも席を立ち、私の肩をそっと叩いた。
「すぐに用意するからな。」
「私はいりませんからね!」
シュウは私に言ってるのに、母さんが横から口を挟んだ。
「シュウ…私も手伝うよ。」
「美幸!」
立ちあがった私の背中に母さんの苛立った声が突き刺さる。
だけど、私はそれを無視して台所へ行った。
***
「……大丈夫か?」
「うん、大丈夫。
それより、シュウは大丈夫だった?
母さんに酷い事言われたんじゃない?」
「……俺なら大丈夫だから。
警察に通報されなかっただけでもありがたいよ。」
ってことは、通報されそうになったってこと?
そうだ!
まさか、一人にしてる間に警察に電話とかしないか?
ふと、頭に浮かんだ恐ろしい想像に、私が母さんの様子を見ようとしたら、ちょうど母さんが台所にやって来た。
そして、椅子に腰掛けて、腕を組んで私達のことを監視するようにみつめてた。
私は、その視線を感じながらも、気付かないふりをしてシュウの手伝いを続けた。
(……あれ?)
居間で聞き慣れた着信音が鳴っている。
シュウと私は同じ曲にしてるけど、私は普段はバイブにしてるから、あれはシュウの携帯。
「シュウ、携帯……」
「あ、あぁ、じゃ、ここ、頼むな。」
シュウはコンロの前を明け渡し、居間に向かった。
台所に、母さんと二人っきりでいるのはとても気詰まりだ。
母さんはなにも話さず、私ももちろん何も話さない。
(それにしても、一体、誰が…?
……あ…!)
野菜を炒めながら、私はその電話が誰からなのかを悟った。
私以外にシュウの携帯番号を知ってる人は一人しかいない。
兄さんだ。
留守電を聞いて私に電話をかけたんだろうけど、私が出なかったからきっとシュウにかけたんだ!
そう思うと、私はようやく希望の光が見えたような気がした。
こんな時になんですが……めしでも食べませんか?」
「え……?」
「ひかり…腹減っただろ?
お母さんも、お腹がすいてらっしゃるんじゃないですか?」
「あなたに、お母さんなんて言われる筋合はありません!」
「す…すみません。」
シュウは、謝りながらも席を立ち、私の肩をそっと叩いた。
「すぐに用意するからな。」
「私はいりませんからね!」
シュウは私に言ってるのに、母さんが横から口を挟んだ。
「シュウ…私も手伝うよ。」
「美幸!」
立ちあがった私の背中に母さんの苛立った声が突き刺さる。
だけど、私はそれを無視して台所へ行った。
***
「……大丈夫か?」
「うん、大丈夫。
それより、シュウは大丈夫だった?
母さんに酷い事言われたんじゃない?」
「……俺なら大丈夫だから。
警察に通報されなかっただけでもありがたいよ。」
ってことは、通報されそうになったってこと?
そうだ!
まさか、一人にしてる間に警察に電話とかしないか?
ふと、頭に浮かんだ恐ろしい想像に、私が母さんの様子を見ようとしたら、ちょうど母さんが台所にやって来た。
そして、椅子に腰掛けて、腕を組んで私達のことを監視するようにみつめてた。
私は、その視線を感じながらも、気付かないふりをしてシュウの手伝いを続けた。
(……あれ?)
居間で聞き慣れた着信音が鳴っている。
シュウと私は同じ曲にしてるけど、私は普段はバイブにしてるから、あれはシュウの携帯。
「シュウ、携帯……」
「あ、あぁ、じゃ、ここ、頼むな。」
シュウはコンロの前を明け渡し、居間に向かった。
台所に、母さんと二人っきりでいるのはとても気詰まりだ。
母さんはなにも話さず、私ももちろん何も話さない。
(それにしても、一体、誰が…?
……あ…!)
野菜を炒めながら、私はその電話が誰からなのかを悟った。
私以外にシュウの携帯番号を知ってる人は一人しかいない。
兄さんだ。
留守電を聞いて私に電話をかけたんだろうけど、私が出なかったからきっとシュウにかけたんだ!
そう思うと、私はようやく希望の光が見えたような気がした。