赤い流れ星
同世代の男子は、私にとっては興味がない…というよりは子供の頃からちょっと苦手な存在で……
女子ばかりの高校に行った時は、男子がいないことにほっとしたくらいだった。
でも、周りの子達がカッコイイ男の子の話や、彼氏が出来たとはしゃぐ中、私はその話題に入っていけず、それも皆と疎遠になっていった原因の一つかもしれない。

私自身、そんな自分のことをどこかおかしいのかもって思うこともあったけど……
でも、今は、別におかしかったわけではないんだって思う。
だって、シュウには本当にどきどきと、ときめいてしまうから。
……でも、それってシュウが私のオリキャラだから?
いや、違う!
だって、今のシュウは二次元の世界の人物じゃなくて、実際にここにいる生身の人間なんだもの。
私にも普通の年頃の女の子の感情はあったんだ……



(あ、そうだ…
父さんのパジャマ、出しとかなきゃ…!)



不意に物思いから覚めた私はどたどたと走った。
この所、自分でも驚く程にてきぱきと動いてないか?
私…たった、二日で変わりすぎ…!?







「……なんだよ、その顔…」

「い…いや、わ、は別に……」

そこまで言うのが精一杯だった。
あと一言でも喋ったら、私はきっと不気味な笑みを浮かべてしまう。

シュウが着た父さんのパジャマは、裾や袖の長さが足らず、なんとも間抜けっていうか……
きりっとしたイケメンのシュウが水玉の、しかも、サイズの合わないパジャマを着てるのは、なんだかとっても情けない雰囲気で……
か、可愛い!
可愛過ぎる…!
パジャマ姿のシュウ…萌え~~!
これが、ギャップ萌えという奴か…!?
あぁ、携帯で映して待ち受けにしたい!



「おまえも今のうちにシャワー浴びて来たら?
俺、今から晩御飯の支度するから。」

「あ…う…うん。」

私は今一度その可愛いパジャマ姿のシュウを自分の心に焼き付けた。
いつの日か、エジソンみたいな賢い人が、人間の脳だか心だかの記憶をプリント出来る機械を発明してくれれば良いのに……なんて、馬鹿なことを考えながら。

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