君さえいれば
ブチはあたしが小学生の時から飼っていた柴犬。柴犬なのに、ブチという名前はお父さんが決めた。




「ブチが言いやすい。これにしよう」




元々、そんなに動物が好きじゃなかったあたしは最初、そんなにブチに感心を抱かなかった。


ブチは初対面であたしを威嚇したしね。でも、不思議と毎日ブチを見るうちに気になり始めてお父さんに着いて散歩に行くようになった。



そのうち、自分でリールを持ちたくなってお父さんが行かなくても自分一人でブチの散歩に進んで行くようになった。


学校から帰ってくるとブチに話しかけるのも日課になった。




「ブチ、聞いてよ。また遠野があたしのこと小学生って言うんだよ」
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