君さえいれば
律夏はそう言いながら熱い視線を遠野に送る。出席番号だった席は席替えをしてあたしと遠野は離れた。



代わりにあたしの前になったのは律夏で今まで遠野と話せた時間も律夏があたしに話しかけてくる。




「お似合いとか言われても興味ないよ、あたしは。その人のこと知らないし、好きになることもない」




勘違いされたくない、誤解されたくもない。あたしの気持ちは遠野だけ。




「そっか。ごめん。何か嫌な思いさせちゃったよね。私、ちょっとトイレ行ってくるね」
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