君さえいれば
後ろを向くのが怖い。下がれない。動けない。少しずつ近づいてくる足音。


そして、あたしをすり抜けて安藤くんの胸ぐらを掴む遠野。




「誰に頼まれた?なんで、こんなことしたんだ?」




「お前のクラスの・・・近藤律夏だよ。明日になれば一面大スクープだぜ。遠間美月、浮気の徹底的瞬間って」




その言葉を聞いた遠野は安藤くんを殴った。一発、また一発。


倒れても馬乗りになる姿にさすがに止めなきゃいけないと動かない身体を無理に動かせて遠野を止めた。




「ダメ、遠野。それ以上やったら死んじゃうよ」
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