君さえいれば
無防備なんだから。こんなとこであどけない表情しながら眠るなんてさ。そっとあいつの頭に触れる。起きるなよ。




「・・・黒板、ありがとう」




一回だけ頭を撫でた。そしてすぐに離そうとしたのにやだ、あたしの制服のボタンが遠野の髪に絡んでる。



普通逆でしょ。ってそんなこと言ってる場合じゃない。遠野が起きるまでに早くほとがなきゃいけない。




「おい、お前人の頭で何してんだよ?」




ヤバイ。遠野が起きちゃった。でも髪の毛は解けないし、困った。


「と、遠野が寝てるから頭をポカポカ叩いて起こしてやろうとしたら絡まったの」


「ポカポカってそんな表現口に出すか?普通。ったく髪の毛引っ張れよ。ポカポカに免じて特別に俺の髪の毛抜かせてやるよ」
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