君さえいれば

「今は？今は何もされてない？」



「うん。遠野くんが言ってくれた言葉で彼女も諦めたみたい。でもたまにすれ違いざまに影口は言われるけどね」




「なんなの、それ。律夏に影口言う資格なんてないのに。あたしがガツンと言おうか？」




「ううん。そんなことしてくれなくてもいいの。美月がそばにいてくれたらそれでいい。こんな私みたいな美月を苦しめた人間でも友達だって言ってくれるそれだけでいいの」




「律夏、友達じゃないよ。あたしは律夏のこと親友だって思ってる。遠野と一緒にいることが多くてあまり一体一で女の子と向き合えてなかったけど律夏とならこの先もずっと、ずっと向き合いたいよ」