君さえいれば
「ねっ、美月。そろそろ大事な言葉を交わさなきゃいけない。伝えなきゃいけないと思う。あたしは美月の隣には遠野くんしか考えられないし、遠野くんじゃなきゃ嫌だよ。だから、ちゃんと関係を進めてこの先もずっと一緒にいてよ。美月言ってくれたでしょ?私とこの先もずっとそばにいようって。嬉しかった。だから次はその気持ち、ちゃんと遠野くんに伝えなくちゃ」




遠野に伝えなくちゃいけない。ちゃんとちゃんと関係を進めなくちゃ、今のままじゃもういられないんだ。




でも、頭では分かっているのにいざ、口にしようとするとそれが出来ない。




怖いんじゃない。拒否されたらどうしようとかそんなんじゃない。ただ、もう少しだけこの関係でいたい。




でも、そうしている間にも時間は過ぎていって気がつくともう夏休み前になっていた。
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