君さえいれば
そんなの痛いに決まってる。だったら痛くないあたしのボタンを引きちぎればいい。


ボタンなんて後から付ければいいもんね。なるべく遠野の髪の毛は引っ張らないようにボタンに力を入れて引っ張った。



ブチッと音がしてボタンが取れた。



ブレザーの紺の袖ボタン。
左手でギュッと握った。




「ごめーん。ちょっと痛かったよね?髪の毛なるべく引っ張らないようにしてたんだけど抜けちゃった」




「ボタン千切ったのか?」




「ボタンなんてまた付けたらいいし、そんなことより遠野の髪の毛が抜けたほうが大変じゃん、ハゲたらさ・・・」
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