君さえいれば
ブチッと音がする。差し出された遠野の握りこぶし。ゆっくり開かれてそこには同じ紺の袖ボタン。




「俺の髪の毛がついたボタンなんて気持ち悪いだろ?俺のやるからそれ、俺にくれ」




「えっ?そんなのいいよ。元はいえばあたしが悪いんだし」




「バーカ。お前が交換しなきゃ俺、ボタン千切り損だろ。その代わり、今日、お前の奢りな。俺、ハンバーガー食いてえ」




「ボ、ボタン一つでハンバーガーなんて高すぎだから」




「いいから。はい、手出せ」
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