君さえいれば
卒業式は感動の涙よりこの後のことで心臓がバクバクしている。



思えばあたしの3年間は遠野なしじゃ考えられないな。どんなときも常に遠野がそばにいた。




やっと、伝えられる。
やっと、踏み出せる。



最後のホームルームが終わってみんなで寄せ書きを書く。




「まだかかりそう?俺、先に行ってるな」




遠野に声を掛けられたけど書いてほしい人がいっぱいで一緒には行けなかった。まあいいや、どうせすぐ向こうで会えるから。




「美月、家庭科の先生いたよ」
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