君さえいれば
そのままあたしの身体は階段を転げ落ちる。やっぱり。あの女だ。律夏を突き落とすつもりだったんだ。




心配そうに階段を慌てて降りて来る律夏。ヤバイ。足捻ったかもしれない。ちょっと痛い。でも、律夏は気づいてない。あの女が突き落とそうとしたこと。




「美月、美月、大丈夫?」




「う、うん。あたしは大丈夫。それより好きな人待ってるんでしょ?早く行かなきゃ。あたしもすぐ約束あるし、少し休んだら行くから」




「でも・・・」





「早く!!早く行って。やっと取り付けた約束なんでしょ?あたしを気にして会えなかったら許さないよ」




「美月・・・」




「律夏、頑張れ!!早く行って!!」
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