君さえいれば
全くこうでも言わなきゃ動かないんだから。あたしをチラチラと気にしながら背を向ける律夏にエールを送った。




「あたしの分も気持ちを伝えて」




携帯、さっき電池切れちゃったんだよね。あーっまったくついてないな。



でも、遠野が待ってるんだもん。足、引きずってでも行かなくちゃ。




痛む足に鞭を打つようにして立ち上がる。荷物・・・邪魔だな。いいや、置いていこう。


今は遠野に会うことが1番大事。




一段、一段ゆっくりと噛み締めながら階段を降りていく。



たどり着けなくても諦められない。行かなきゃ、遠野が待ってくれてるんだもん。
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