君さえいれば
あの公園、水族館の近くだから電車乗らなくちゃいけないんだよね。じゃあお金がいるな。やっぱり財布取りに行かなきゃいけない。



そう思いながらまた階段を上ろうとした瞬間、あたしの意識はそこで途絶えた。




次に目が覚めると真っ白い天井と見慣れない風景。隣にはお母さんが手を握ってて意識が朦朧としていた。



あたし、なんでここにいるんだろ?卒業式で・・・遠野、遠野に会いに行かなきゃ。




「美月、良かった。目覚まして。あなた2日間、眠ったままだったのよ。先生が階段で倒れてるあなたを見つけてくれて救急車を呼んでくれたの。頭打ったりしたの?気分悪かっただけ?とにかく良かったわ」
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