君さえいれば
いや、結局会いに行けなかったんだから遠野との約束を破ったんだ。今更何を言っても仕方ない。



でも、遠野から連絡が来てるかもしれない。お母さんに頼み込んですぐに充電器を持って来てもらうように頼んだ。




ハンガーに掛けられたあたしの制服。そっと右の袖ボタンに触れる。遠野のボタン。思いっきりそれを引きちぎった。



もう会えない。遠野に会えない。ギュッと力強く抱きしめるようにボタンを握りしめた。




充電器を指してすぐに電源を付けたけど遠野からの連絡はなかった。



でも、律夏からは付き合えることになったと報告メールが来ていてそれが嬉しかった。
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