親友の定義
秋月悠多。
26歳。
株式会社中宮商事
営業部営業2課所属。
英院大学卒。
新卒でこの会社に入って4年目。
課でも中ほどの位置になってきたと思う。
同期もまあ、皆そんなもんだろ。
俺らの代、つまり同期は12人。
うち男9人、女3人。
といっても1人は大学時代からの知り合いだ。
今井愛依。
大学のとき一年だけ入っていたフットサルサークルでの友達だ。
俺がサークルをやめてもこいつとだけはなぜか友人関係は続いた。
女のくせにはっきり物を言うあいつとは似た者同士だったからかもしれない。
卒業してからも適度な距離を保ちつづけるだろうと思っていた俺らは、何の因果か、同じ会社に入った。
最近、愛依は1課の新人の結城駿吾に気に入られてるらしい。
隣だから噂話の類はすぐに入ってくる。
まあ、結城が今年の新人1のイケメンと言われているからだが。
愛依もまんざらでもないらしく甲斐甲斐しく世話をしているらしいが、
それは違うと思う。あいつはそもそも世話焼きの性質なのだ。
でもまあ、最近機嫌が良いのも確かであり、それが新人の指導係になって嬉しいからなのか好かれているからなのかは実際のところわからないが。