秘密戦隊とホームレス宇宙人
「それ、多分ガウレンジャーのことね」

「そうですね」

「うむ」

3人は何を言ってるんだ?


「クロさん知らないんですか?日曜日の朝にやってる特撮テレビドラマ」
と、涼平が言った。


「え?知らない…」

その時間は寝てる時間だ。


「俺達と同じ名前のテレビ番組がやってるんですよ。子供に大人気」


「ガウレンジャーは主婦にも人気よ。主役の水島ヒロシが超かっこいいの」
と、桃子さんも笑顔で言った。


「へ…へぇ。そうなんだ。てっきり俺達のことかと…」

なんて紛らわしい名前なんだ!
俺達と同じ名前の戦隊ヒーロー番組があるのか…。


「まあ、本当に地球を救うのは私達だがな…」

ハカセがそう呟いた。

そうだ。本当に戦うのは俺達じゃないか。本当の“ガウレンジャー”は、俺達だ。


「でも、レッドを始め超イケメン揃いだから、あっちがよかったなぁ」

「こっちはイケメンが少なくてすいませんねぇ」

桃子さんと涼平がそう言っていて、思い出した。

イケメン…レッド…。

そうだ!鈴木に伝えなきゃ。
でも、あれだけ念じても来なかったということは、みんなで念じるしかない。


「ちょっと、桃子さんと涼平ちょっと来て!」


「え?」

「何ですか?」

なんとか二人を大広間に呼び出した俺は、二人を説得する。
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