秘密戦隊とホームレス宇宙人

「お願いします!一緒に念じて、レッドを呼んで下さい!」

俺は大広間で土下座をした。誠意を見せた方が手っ取り早いと思ったからだ。


「なんでよ?」

「どうしたんですか?」

二人は訊いてくるが、説明してる暇はない。


「理由は後で言いますんで、とにかくお願いします」

真っ暗な大広間に蝋燭を一本立て、俺達は手を繋いで三角形になり、念じた。

レッドよ…戻って来い…と。



しかし、何も起こらなかった。

レッドが来る気配すらなかった。


「無理じゃない?」
と、桃子さんが言った。


「来ないときは来ないんですね」
と、涼平も言った。

「うん…」
俺は諦めきれなかったが、最後の手段として、みんなにこの事を打ち明けるしかないと思った。



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