秘密戦隊とホームレス宇宙人
桃子さんがそう言って、一冊のノートを持ってきた。

「ここに、書いてあるはず」

桃子さんが捲ったページを食い入るように俺と涼平が見る。


「群馬…?」「ですね…」

レッド鈴木の実家の住所と番号がそこには書かれていた。


「涼平!電話して」

「へ、へい」

桃子さんに促されるままに、涼平はダイニングの電話から電話をかける。


「もしもし…」


「はい…佐藤です」
と、受話器から声が聞こえた。


「あ…佐藤…スイマセン!かけ間違えたみたいで…」

涼平がそう言って電話を切ろうとした時に、桃子さんが止めた。

「待って!いいの。合ってるから…」

桃子さんが受話器を奪い、話す。


「すいません…大祐君の友達の山口と言います」


「はい…」


「ちょっとお尋ねしたいんですが、大祐君が今どちらにいるのか、ご存知ですか?」


「ちょっと…わからないですね」


「そうですか…」

桃子さんは肩を落とす。

「…でも…」

「でも…?」

受話器からの声に桃子さんが耳を傾ける。
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