秘密戦隊とホームレス宇宙人
「昨日ウチに来たんです。久しぶりに…」

「昨日来た?群馬の実家にですか?」

桃子さんはその話に食いつく。


「はい…。ウチを出て、小学校の同級生と飲みに行くと言ってました」

「じゃあ、もういないんですか?」

「はい…うちにはいません。群馬にいるのか、埼玉に帰ったのか…」


「今から、そちらにお邪魔してもよろしいですか?」


「え?」

受話器の声も戸惑っていたが、俺達だって戸惑った。
桃子さん、行く気なのか?


「構いませんけど……」

「じゃあ、すいませんが少しお邪魔させて下さい。3時間程で着くと思いますんで…」


電話を切ると、桃子さんは俺達にこう言った。


「前橋に行くわよ!」


「ま、マジで?」


「マジよ!こんなとこにいてもしょうがないでしょ。前橋にいるかもしれないんだから、そっちで念じたほうがまだマシよ。さ、支度して」


ピンク番長の命令に、俺達はすぐに支度を済ませ、電車に乗った。
< 110 / 167 >

この作品をシェア

pagetop