秘密戦隊とホームレス宇宙人
前橋に着き、電車を降りた俺の姿は、黒のスーツにサングラス、そして手にはアルミのスーツケース。

スーツケースの中には黒のガウベルトが入っている。


俺のベルトは狙われているのもあるし、守らなくちゃならない。

地球の未来がかかってるんだ。

しかし格好に気合を入れすぎたか…。


「クロちゃん、浮いてるよ」

「浮いてますね」

そう言った桃子さんと涼平はラフな格好だった。


「俺、ちょっと勘違いかな?」
という俺の問いに、

「うん」
と二人は頷く。

「だって鈴木のお母さんに会いに行くだけだしね」


確かに。

前橋で探して、見つかるのを祈るだけ。ハカセは今日もお留守番だった。

何かあったらすぐに連絡しろとハカセは言って、耳栓のような小さな発信機を俺にくれた。

超小型のくせに、火星ぐらいまで離れても会話が出来るという。

おまけに他の国の言葉も自分の言語に翻訳してくれるという。

ただの耳栓にしか見えないのに、やはりガウデス星の文明はすごい。


俺達はタクシーに乗り、鈴木が紙に書いていた住所へと向かった。
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