秘密戦隊とホームレス宇宙人
着いた家の表札には、「佐藤」と書かれていた。


「そういえば、なんで名字が違うんですか?」

涼平が桃子さんに訊いたその質問に、俺も疑問を抱いていた。


「前に一緒に飲んだときに聞いたんだけど、彼ね…。本当の両親に育児放棄されて、佐藤さんが里親として育てたみたい。だから名字が違うんだって。でも、育ててくれたのが俺の本当の親だから…って言ってた」


「そうなんですか…」


「じゃ、行こうか!」

桃子さんの明るい一言で、俺達は玄関に向かい、チャイムを押した。
中からはとても若い、綺麗な奥様が俺達を笑顔で迎えてくれた。


「―お邪魔します」


鈴木のお母さんに通され、俺達は鈴木の実家のリビングへと入った。


「大祐のどういうお友達なんですか?」

そう言いながらお茶を出そうとする母親、佐藤恵さんに桃子さんがこう返す。


「あ、おかまいなく。埼玉で、一緒にサークルをやっている者です…」

桃子さんのとっさに言ったサークルという言葉は、あながち間違いではない。


「へぇ。どんなサークルなの?」

「その…イベントサークルですね。飲んだり、語ったり、飲んだり」

それはアンタの私生活じゃねーか!と、桃子さんにツッコミたくなったが、それに頷いておく。


「そうなんだ。埼玉でも楽しそうな仲間が出来てよかった。あの子…兄弟とかいなかったから」
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