秘密戦隊とホームレス宇宙人
とても優しい写真…そんな風に感じた。


「手紙はいつも送ってくるのにね…。昨日は、手渡しだったの。なんかソワソワしてて、あの子らしくなかった」

恵さんが言ったその言葉に、俺はひとつの考えが浮かぶ。

戦いに行く前に、お母さんに会いに来たんじゃ…?


「なんかいつもと違ったの。なんとなくだけど、最後の手紙を渡すみたいだった」


下手したら、お母さんともう会えなくなるかもしれないから、それを覚悟して、地元に挨拶をしに帰った。

そんな気がしてならなかった。

そう思ったのは、涼平も桃子さんも一緒だったと思う。


「その手紙、私達が読んじゃマズいですか?」
と、桃子さんが訊いた。


「…いいけど。普通の手紙よ」

そう言って、恵さんは手紙を見せてくれた。

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