秘密戦隊とホームレス宇宙人
「私達が、彼を捜しますんで、安心して下さい」

桃子さんがきっぱりそう言った。


「私達がいますから、大丈夫ですよ」


桃子さんはかっこよかった。俺が言うのも何だけど、本当に男前だ。


「あと、これ…よかったらもらって下さい」
と、桃子さんが財布からプリクラを出して、恵さんに渡した。


「これは…?」

「以前、大祐君と、涼平と、私の3人で撮ったものなんです。よかったら…」


恵さんはそれを見て、嬉しそうにこう言った。


「あの子が大人になってからの写真はほとんどなかったから…嬉しい。いいの?」


「はい。…それでよければ」


「ありがとう。本当にいいお友達がいて…大祐が羨ましいな」
と、恵さんは笑顔で言った。


涼平が帰ってきてから、俺達は恵さんにお礼を言って、その場を後にした。


恵さんに教えてもらった、鈴木の親友の家にも行ったが、昨日飲んで楽しかったですという話しか得られず、途方に暮れていた。

川沿いの道を、3人で並んで歩く。

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