秘密戦隊とホームレス宇宙人
「このスーツ…俺にベルトを買わせた奴が着てたものにそっくりなんです!」



「え…?」

「本当か?」

俺の言葉に3人は驚いた顔をした。


「はい。間違いないですね。こんなスーツを着てるのなんてそうそういません」



俺がそう言うと、ハカセが悟ったように言った。


「それが間違いなくガウデス王政だろう…。俺を追ってきた政府の奴だ。奴らが黒のガウベルトを使えないと判断して、売りに出したんだろう。涼平のベルトもそれで出回ったんだろうな」



「なんで、捨てるんじゃなくて売ったの?持ち帰ってもいいハズじゃない?」
と、桃子さんが訊く。



「恐らく…宇宙船を直すための資金集めだろうな」


パープルのベルト以外が使えなかった奴らは、いらない物だと判断して、他のベルトを売りに出し、資金を集めたってことか……。


「それにしても、宇宙船を扱う宇宙人が、ベルトをキャッチセールスで売って金を稼ぐなんて…なんてアナログなんだ」

俺がそう言うと、涼平が真剣な顔をしてこう言った。


「俺のベルトの場合はネット通販ですから、大分デジタルですよ」

そういうことを言ってるんじゃ…。


「ということは、宇宙船が直ったら、奴らはガウデスに帰るの?」
と、桃子さんがハカセに訊いた。
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