秘密戦隊とホームレス宇宙人
第12話 ハカセノタビ
翌日からハカセは、今までどおりに宇宙船を解体して売り、さらには張のところで肉体労働も始めた。廃車や電化製品を解体する作業だ。分解された機械部品は、外国で組立・修理され、外国の家庭でリサイクルされる。
「たくさん働くネー。どうしたの?」
張が不思議そうに尋ねると、ハカセは作業を続けながら答える。
「…金がいるんだ」
「金か。金が全ての世の中ダカラね。ダカラみんな日本に来る。あなた正解だよ。ここなら金になるし、治安もいい」
「そうなのか…。張の国は貧しいのか?」
「わたしの国、金持ちはいっぱいいるけど、地方に行ったらみんな貧乏。差が激しい」
「張は地方から来たのか?」
「そう。中国で、何年か前に地震あったの知ってる?」
「わからん…」
「地震があって、家が無くなった。地方の家はみんなもろいから、簡単に崩れるんだ。だから、丈夫な家を建てるために日本に来た。家族がわたしの帰りを待ってる」
「そうか…一家の大黒柱か」
「あんたは…家族は?」
「娘が二人と妻がいるが……もう帰れないかもな」
そう言ってハカセは、トラックの上に積みあがっている銀色の板、宇宙船の外壁を見つめた。
「帰れないなんて言うなよ!待ってくれてんダロ!?」
「…ああ。多分」
「じゃあ、頑張れよ!こんなとこで一人で死んだってつまんねぇよ!きっと、国に帰れるカラ!」
「たくさん働くネー。どうしたの?」
張が不思議そうに尋ねると、ハカセは作業を続けながら答える。
「…金がいるんだ」
「金か。金が全ての世の中ダカラね。ダカラみんな日本に来る。あなた正解だよ。ここなら金になるし、治安もいい」
「そうなのか…。張の国は貧しいのか?」
「わたしの国、金持ちはいっぱいいるけど、地方に行ったらみんな貧乏。差が激しい」
「張は地方から来たのか?」
「そう。中国で、何年か前に地震あったの知ってる?」
「わからん…」
「地震があって、家が無くなった。地方の家はみんなもろいから、簡単に崩れるんだ。だから、丈夫な家を建てるために日本に来た。家族がわたしの帰りを待ってる」
「そうか…一家の大黒柱か」
「あんたは…家族は?」
「娘が二人と妻がいるが……もう帰れないかもな」
そう言ってハカセは、トラックの上に積みあがっている銀色の板、宇宙船の外壁を見つめた。
「帰れないなんて言うなよ!待ってくれてんダロ!?」
「…ああ。多分」
「じゃあ、頑張れよ!こんなとこで一人で死んだってつまんねぇよ!きっと、国に帰れるカラ!」