秘密戦隊とホームレス宇宙人
ハカセの隣に桃子が着くと、ハカセは真っ先に謝った。


「この前は…すまなかった」


「いえ、全然平気です。ブランデー、ストレートでいいですよね?」


「ああ」

桃子はグラスにそのままブランデーを注いだ。


「嘘だと思うが、聞いて欲しい」


ハカセがそう言うと、桃子は頷いた。


「君の持っている骨盤ベルトは、別の惑星で作られたものなんだ」


「またまたぁ!」
と、桃子はハカセの肩を軽く叩く。



「いや、冗談ではない。私の生まれた惑星で作られたのだよ」


「じゃあ、宇宙人なんですか?」


「ああ。そういうことだ」


「またまたぁ!宇宙人ってもっとキモい感じの…」


「それは君たちが創った想像上の生き物だ。確かにそういう形のもいるかもしれないが、私のように人間の形をしているのだっているんだよ」


「…」

ハカセに圧倒され、桃子は何も言えなくなってしまった。


「ベルトはどこで手に入れたんだ?」


「前のお店で…お客さんがくれました」


「どんな客だった?」


「小太りで、短髪で、サラリーマンっぽい普通のおじさんで…」

そこでピーンと来たのか、ハカセがこう言った。


「宇宙人だ!」


「え?」


「小太りな奴もいたんだ。私たちの大事なベルトを狙っていた宇宙人の中に、そんな奴もいた。そいつに違いない」


「は…はあ」
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