秘密戦隊とホームレス宇宙人
ハカセは次の日からも張に与えられた仕事を熱心にこなし、お金を貯めた。
夜は山の中で寝泊りし、山の中にあるものを食べ、生活は出来る限り切り詰めた。
ベニテングタケという毒キノコを食してしまい、下痢や嘔吐にうなされる日もあった。
やがて食べれるキノコの見分けがつくようになると、白髪は伸び、白い髭も伸び、風貌はまるで仙人のようであった。
そこまでして貯めたお金は、川越のキャバクラで費やされるのだった。
三度目の来店でも、桃子はハカセの話を信用はせずに、話半分で聞いていた。
「宇宙の話…面白いですね」
桃子はそう言って笑った。
「いや、笑い事じゃないんだ!ガウデスの60億人の人々の命がかかってるんだよ!」
ハカセは真剣にそう言うが、桃子は気楽にこう返す。
「ガウデス星かぁ~。行ってみたいな~」
「…この惑星のように自然は残っちゃいないよ。この国のほうが住みやすいかもしれないな」
「近未来って感じですか?」
「ああ…。地球からすれば未来なのかもな」
桃子がドレスの下に付けている骨盤ベルトを触りながらこう言った。
「でも…このベルトはそんな惑星で生まれたものだとは思いません。普通の骨盤ベルトだと思います」
「見た目ではわからないと思う。ちょっと…見せてはくれないかね?」
「ドレスの下だから、今から外すのはちょっと面倒で……あ、来週の金曜日って水着デーなんですよ」
「水着デー?」
「うん。だから、ベルトはさすがに付けないから、来てくれたら…見せれますね」
「本当か!?なら、もちろん来る!」
「じゃあ、待ってますね」