秘密戦隊とホームレス宇宙人

共同生活がスタートして、二週間が経とうとしていた。

ご飯の支度をするのは家にいる方の役目、洗濯は各自で洗うと決めた。
引っ越した当初、ハカセは桃子の服と自分のを一緒に洗濯機にかけてしまい、こっぴどく怒られて学習した。

この惑星の文化では、男女は別々に服を洗うのだ、と。

家から割りと近くで仕事を探していた桃子は、目当ての夜の仕事を見つけた。そして、新しい職場で働き始めてすぐにあったことを、ハカセに話した。

「ハカセ……前の店に、背の高い茶髪のボーイがいたの覚えてる？」

「背の高い…茶髪？」

「いたじゃん。最後の日にハカセが他の店のスカウトだと思って、引き抜きだと勘違いしてた…」

「あ～、いたなぁ。顔が黒いやつか」

「そう。彼、鈴木っていうんだけどね。うちの店に来たの！」

「ん？うちの店？」

「あたしが新しく始めた店に来たの！系列店でもなんでもないのに。すごい偶然でしょ？」

「…うむ」

「なんで前の店辞めたのって聞いたら、なんとなくだって」

「なんとなく…」

「仲がいいほうだったから、あたしも嬉しくって。なんか運命なのかな。赤い糸的な…。いや、ただの偶然かぁ」

笑顔で話す桃子に、ハカセは真剣な顔で答えた。


「いや、偶然じゃないかもしれんぞ」

「え？」


「能力を使うと、他のベルトを持った能力者は、無意識に集まるようにできているんだ」

桃子は言われた意味が理解できなかった。

「もし、その男が他のベルトを持っていて、能力者なら…桃子くんに引き寄せられたことになる」


「…そんな…あいつが能力者だなんて…」