秘密戦隊とホームレス宇宙人
「「ないない!」」

桃子とハカセは同時に言って笑った。


「あんなチャラい男にガウデスのベルトが渡ってしまったら、世界は終わってしまう」
と言って、ハカセは笑った。

桃子は何かを思い出したかのように言った。

「でも、前に腰が痛いって言ってたような…」

その言葉を聞いたハカセは、急に真剣な顔つきになった。

「桃子くん…。い、一応、彼の腰のあたりを探ってみてくれ。さり気なく」

「わかった。私みたいな骨盤ベルトを付けてたら、怪しいのね?」

「…付けてたら怪しい。頼んだぞ」

「うん、地球のためだもんね」

桃子はやけに素直で、正義感に満ちていた。異次元のベルトを手に入れた実感とともに、心まで逞しくなっていた。

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