秘密戦隊とホームレス宇宙人
翌日、桃子は深夜に帰宅すると、真っ先に、ハカセにこう言った。


「ハカセ!!ベルト付けてた!鈴木、ベルト付けてたよ!」

「本当か!骨盤ベルトか?」

「うん…!量販店で買ったって」

「色は?質は?」

「色は赤で…私のと同じような質感だった」

「赤…」

ハカセは思い当たる節があったのか、下を向いた。

「…赤いベルトも存在するの?」

「ああ、赤は…強力な…破壊力をもつ」

「破壊…力?」

桃子が不思議そうな顔をしていると、ハカセがこう言った。

「彼を明日連れてくるんだ。ここに!」

「え…?でも」

「まずは、ベルトが本物かどうかを確かめるしかない」

「そうね…」

桃子は頷いた。


翌日の昼、桃子は鈴木に電話をかけた。
電話に出た鈴木は池袋にいて、どうしても外せないと言って、桃子の誘いを断った。

桃子の勘では、池袋でパチンコをしているのだと思った。

それを聞いたハカセは、池袋に一緒に行こうとを言った。

パチンコ店をしらみつぶしに探すのは面倒くさいと思った桃子は、それを嫌がったが、ハカセはこう返した。

相手が本当の能力者なら簡単に見つかるから、安心しなさい。

それを聞いた桃子は、ハカセの言うとおりにした。
池袋に着いて、駅前で鈴木のことを想い、祈った。

黒くて背の高い、ちゃらちゃらしたちょっとイケメンのことを想った。

「本当に彼が能力者なら、桃子君の祈りが通じて彼は引き寄せられてここに現れるはずだ」と、ハカセは言った。


しばらくすると、目の前で黒い顔の男がナンパを始めていた。
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