秘密戦隊とホームレス宇宙人
桃子は初めは気付かなかったが、よく見るとそれは鈴木だった。
それは鈴木が昨日より日焼けしていて、黒人のように黒くなっていたのだ。


「いや、マジで俺の手から出るパワーで日焼けするから!タンニングいらず!日サロの代わりになるって。俺、全部自分で焼いたからね」

そう言った鈴木の前には、女子高生が二人。

「絶対うそだよ~。出るわけないじゃん」
「日サロ超通ったんでしょ~?」

「いや、マジだって。じゃあさ、ケータイの赤外線で何か送って。俺、ケータイ持たずに手で受信できちゃうから」

「えー、お兄さん手品師か何かですか?」

鈴木は女子高生に笑われていた。

「いや、ちげぇ……」

鈴木の肩にデコレーションされたネイルの手が乗っかり、鈴木は後ろに引っ張られた。
引っ張られた鈴木が振り向くと、桃子がいた。

「へっ?」

「何してんの?鈴木クン」

桃子はそう言って、微笑んだ。

「え?桃子さん!?なんでここに!?あ…JK!…行っちゃった」

鈴木は去って行った女子高生を目で追っていた。

「抜けられない用事って…ナンパ?」

桃子にそう言われ、鈴木は焦った。

「いや…その…あの…タンニング…を」

「ちょっと大事な話があって来たの!偶然会えてよかった」

「…は、はい」

鈴木は桃子とハカセに連れて行かれ、ベルトの秘密を知るのだった。
< 161 / 167 >

この作品をシェア

pagetop