秘密戦隊とホームレス宇宙人
第1話 悪徳商法
「お兄様!お兄様!」
街で七色の変なスーツを着たオッサンに話し掛けられた。40代ぐらいだろうか。
「…え?」
あまりに奇抜な色をしてたもんだから、思わず立ち止まってしまった。虹のようなスーツに、赤の蝶ネクタイ。
幸せそうな服着やがって。俺はちっともハッピーじゃない。
「お兄様!腰痛ひどいでしょ?」
俺はそのオッサンの言葉が意外にも自分にどんぴしゃりだった事に驚き、返事をしてしまった。
「…はい」
この慢性腰痛をわかってくれる人間が周りにいなかったから、少し心を許してしまったのかもしれない。
普通なら、シカトする。いや、シカトしないといけないような、なんとも言えないオーラがオッサンから出ていたんだ。
…加齢臭じゃないぜ。
「わかるよー!でね、とってもいいものがあるから!絶対にお勧めだから!お兄さんだけに紹介するよ」
お兄様からお兄さんに変わった。この段々と距離を縮めていく作戦に、俺はまんまとハマってしまったんだ。この巧妙なトリックに。
「え…いや…でも…」
ノミよりも気がちっちゃい俺は、すぐに断ることが出来ないでいた。
「限定モノだよ」
昔から限定という言葉に弱い俺は、限定モノのスニーカーも沢山買ったっけ。
今じゃ下駄箱に眠ってる。
「大丈夫!見るだけ見てみようよ」
オッサンのその言葉に、俺は勝手な逃げ道を見出してしまう。
見るだけなら…いいか。見るだけ……怪しかったら帰ればいいし…。
そんな俺の考えは、甘かったんだよな。お袋。
「さぁさぁ!どうぞこちらへ」
怪しいオッサンに釣られ、連れられ、怪しいビルの中へ。
大人二人が乗っただけで窮屈な、狭いエレベーターで5階まで昇っていく。
地上からどんどん離れていく。出口が遠くなることで、俺の不安もどんどん大きくなっていった。高所恐怖症じゃないが、1階に戻りたい。
街で七色の変なスーツを着たオッサンに話し掛けられた。40代ぐらいだろうか。
「…え?」
あまりに奇抜な色をしてたもんだから、思わず立ち止まってしまった。虹のようなスーツに、赤の蝶ネクタイ。
幸せそうな服着やがって。俺はちっともハッピーじゃない。
「お兄様!腰痛ひどいでしょ?」
俺はそのオッサンの言葉が意外にも自分にどんぴしゃりだった事に驚き、返事をしてしまった。
「…はい」
この慢性腰痛をわかってくれる人間が周りにいなかったから、少し心を許してしまったのかもしれない。
普通なら、シカトする。いや、シカトしないといけないような、なんとも言えないオーラがオッサンから出ていたんだ。
…加齢臭じゃないぜ。
「わかるよー!でね、とってもいいものがあるから!絶対にお勧めだから!お兄さんだけに紹介するよ」
お兄様からお兄さんに変わった。この段々と距離を縮めていく作戦に、俺はまんまとハマってしまったんだ。この巧妙なトリックに。
「え…いや…でも…」
ノミよりも気がちっちゃい俺は、すぐに断ることが出来ないでいた。
「限定モノだよ」
昔から限定という言葉に弱い俺は、限定モノのスニーカーも沢山買ったっけ。
今じゃ下駄箱に眠ってる。
「大丈夫!見るだけ見てみようよ」
オッサンのその言葉に、俺は勝手な逃げ道を見出してしまう。
見るだけなら…いいか。見るだけ……怪しかったら帰ればいいし…。
そんな俺の考えは、甘かったんだよな。お袋。
「さぁさぁ!どうぞこちらへ」
怪しいオッサンに釣られ、連れられ、怪しいビルの中へ。
大人二人が乗っただけで窮屈な、狭いエレベーターで5階まで昇っていく。
地上からどんどん離れていく。出口が遠くなることで、俺の不安もどんどん大きくなっていった。高所恐怖症じゃないが、1階に戻りたい。